『サヘル・ローズ』氏の講演会
2024年3月26日(火)
「頑張らないで!」
サヘルさんが繰り返し言っていた言葉です。
3月2日(土)映画や舞台で幅広く活躍するイラン出身の『サヘル・ローズ』氏を招き、宣真学園記念講堂に於いて生徒に向け『心のふるさと』と題して講演会を開催しました。生徒指導部長の中元先生が「ゼッタイに生徒の皆さんに聞いてほしい」との思いから実現した企画です。
サヘル氏は、幼少期に家族を戦争で亡くし、4歳から孤児院で生活を始めました。その後8歳の時に養母とともに来日しましたが、言語や文化、肌の色の違いからいじめ、差別、さらに虐待にもあい、路上生活も経験しました。一時は自殺をも考えた時期があったそうです。
サヘル・ローズの名前の由来は『砂浜に咲くバラ』、養母が名付けたくれたようです。養母もなれない異国で、全てを犠牲にして頑張ってくれました。その養母に恩返しをしなくてはと決意し、様々な努力を経て頑張っています。そのような壮絶な経験を乗り越え、現在、彼女は俳優として活躍する傍ら、世界中の貧困地域や難民キャンプでの人道支援活動にも力を注いでいます。
控室でも舞台の上でも非常に物腰が柔らかく、そして品のある言葉遣いや仕草、その背景に壮絶な生い立ちがある事を微塵も感じさせないぐらい、前向きな性格で陽だまりのような笑顔で接してくれました。そのようなサヘルさんに感銘を受けた言葉を、ご紹介させていただきます。
・「弱さが強み、弱さを知っている人ほど強い。」相手の気持ちを思いやることができるかどうか。
・「自分の行動は誰かを幸せにすることができるし、優しさを誰かに伝染させてほしい」
・孤独や闇は自分の大切な一部分だ。いろいろな人の失敗談を聞いて、対処法を学び経験にしてほしい。
・失敗+経験=強さだ。
・あなたの価値は周りが決めるのではない、自分が決める。
・座って嘆くよりも行動を起こすように。
当たり前と思っていた今の暮らしが、決して当たり前ではないことを気づかせてくれた講演会でした。教員、生徒ともに込み上げる涙をぬぐいながらお話を聞かせていただきました。言葉や文化、考え方の違いなどの多様性を尊重し、個人の価値観を認め合うことで共生に向けた社会の実現を積極的に目指していきたいです。最後にサヘルさんから、今日の話が大人になって思い出してくれたら嬉しいと締めくくられました。
サヘル・ローズさん、貴重なご講演をいただきまして、誠にありがとうございました。
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